息子の入院

先日息子が2泊3日の入院をしてきました。

食物アレルギーをもつため、強いアレルゲンをもつ食べ物を医療環境が整ったところで食べさせ、どのくらいストレスに耐えられるかを検査、観察するための入院でした。

入院する前にするアンケートで、「入院するにあたり患者本人、家族はどのように入院についてとらえているか」のような意味合いの質問がありました。

まだひらがなを書き始めたばかりの小学校1年生がどこまで理解できるかなと思いました。

「入院って意味わかる?」「うん。病院に泊まるんでしょ。」 そうそうだいたいわかっているね。

「なんで入院するかわかる?」「小麦粉と卵を食べるんだよね」 そうだよ。そのとおり。

「どう感じる?」「食べられないものを食べるからいやだし、ひとりで泊まるのはいやだ。でも、みんなと一緒にピザやハンバーガーを食べたいからがんばる。」

正直驚きました。家ではわがままでおねえちゃんとけんかばかりするし、始終所かまわず走り回っている息子です。まさか、ここまでしっかり状況を受け止め、逃げずに問題に立ち向かおうとしているんだと驚きました。

看護師さんから、「小さいお子さんの場合、治療の時にもっと泣いたり嫌がったり大変なんですよ。」というお話を聞きました。痛いだけで泣くのではなく、おそらく不安からも泣くのかなとふと感じました。治療の意味がわからず、説明もわからないと不安がきますよね。それなのかなと少し感じました。もちろん注射の痛みは小さなお子さんのほうが痛く感じると思いますが。息子の場合、入院前からなんのために入院するのか、治療中もなんのために何をするのかを事前に分かりやすく説明があったので、心の準備ができていたのだと思います。

「この注射いたいかもしれないけれど、よくなるための治療だから。3秒くらいチクンさせてね」とか、「歩けるようになるために、この治療一緒にがんばろう」とか。また、患者さんの保護者の方にかける言葉かけで不安やイライラがおさまったり。そういった患者さんの不安な心に寄り添ってくれる医療者の言葉かけは魔法の言葉だなと感じました。

これからおきること、どうしてこれをしなければならないか、つらい治療や経験を克服するとその先どうなるか。。。などなど。大人でも子供でもここが分からないと不安になると思います。

まだしゃべることができないほどの小さなお子さんや赤ちゃんも同じ部屋で入院していました。ご両親が交代で泊まっていたり、介護サポートの方もいらしたりしていました。点滴の針を入れるときなど痛いですから赤ちゃんは泣きだします。ご両親さんさぞかしお辛いだろうなとカーテン越しで感じていました。素晴らしいなあと思ったのは、一日中泣いていてもイライラせず鼻歌をうたったりしたり、やさしい声ではなしかけていることでした。そういったやさしい声、表情から、抱っこをする人の心臓の鼓動から、赤ちゃんは安心を感じることができるのですね。

息子の場合、治療や長時間の安静だけでなく“一人で夜寝て朝食を食べる”という大きなチャレンジもありました。他の患者さんにご迷惑かからないだろうかと不安要素もありました。先生が、「もう小学一年生のお兄ちゃんなんだから、ひとりで寝られるよ。きっと仲間もいるよ。」とおっしゃったので、本人もやってみよう!という気になったようです。

当日、「やっぱりやだなー。でも、暗くなってぼくが寝るまで一緒にいてね」と本人が決めてくれました。着替えやタオルなどをベッドサイドのテーブルにおき、水分補給のための水筒などを用意しました。いつもと違う環境で疲れたのか、意外と早く寝ていました。寝始めてしばらくたってから暗い病室をあとにしました。

明日の診察で、また新たな治療法を話しあっていきます。家では甘えが出るので、なかなかアレルゲンのものは食べてくれませんが😢、何のためにやっているのか、つらい治療の先には何がまっているかイメージできるような声掛けと工夫を今後も続けていきます。まだまだ給食を食べられるようになるまでには長い道のりのようですが、そのほかは健康体ということに感謝です。

入院中は、先生方、看護師さん、たくさんの方々に励まされお世話になりました。家族みんなも、治療に一緒に参加したり、お留守番をしてくれたり協力してくれたことに感謝です。

お友達からは、入院中につまらなくならないようにと、息子が好きそうなおもちゃや絵本をたくさん貸してくれました。おかげさまで、治療後の安静時間帯は、ベッドのうえで、おもちゃで遊んだり、絵本を読んだり、退屈で叫びそうというような状態にならずにすみました。本当にありがたかったです。応援メッセージもたくさんいただきました。ありがとうございました。

こうやってたくさんの方々に応援されたり協力しあって人は生きているんだなと強く感じた数日でした。

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