みんなそれぞれ

うちの子供は、今小学1年生と小学5年生。

それぞれ性格も行動も好みも全く違います。

そして、二人は今、いわゆる反抗期のような時期でもあるようです。

よく、「佐山さんなら問題なく接しているでしょう」と、よく言われます。

私も人間で感情をもっていますから、怒ったり泣いたりもちろんします。 職業柄、なるべく物事・出来事を客観的にみようと努力はしていますが、家族となるとまた違うものです。

以前、私自身のコーチから、家族や夫婦間では本当のコーチングはできないからねと言われたことがあります。まさにその通りです。コーチングのエッセンスを入れたコミュニケ―ションはできたとしても、親として妻として大事な家族だからという思いが、どうしても主観が入ってしまうんですね。

先日、近所でお祭りがありました。

子供ですからテンションはマックス。あれもしたいし、これも買いたい。

上の子は、さすが上級生。事前に友達と入念な計画を立て、貯めたお小遣いやお駄賃をもって何時までに帰るねといってお祭りに行きました。

下の子は、まだまだそういったことはできません。一緒に歩き、食べ物1つとおもちゃ1つ買おうねと約束をしました。その約束が彼にとっては不服だったのか、あまりにもお祭りの状況がキラキラすぎで我を忘れたのかわかりません。彼にとってはかなりレベルの高い行動をやってくれました。

我が家には、細かいお金をためておく入れ物があります。みんなが見えるところにはおいていません。子供や夫は、なんとなく場所を知っていたんですね。

長くなりそうな話をかいつまんでお話しますと、 彼は、だまって、隠れて、家のお金をもって、自分でお祭りにいって買い物をしてしまったのです。

たったそれだけ?と思われる方もいるかもしれません。 また、お母さんの管理ができてないよなとおしかりをうけるかもしれません。

まだ小学1年生なので、今までは特におこづかいも渡さず、必要なものを必要な時に一緒に考えながら購入していました。 そういった状況だったので、私にとっては、かなりショックでした。自分のものではないお金を、隠れてこそこそと手に入れた、そしてだまった自分の欲しいものを買ってしまったということにです。

そのことが判明した時、とっさに「これは外では泥棒ということになるのよ」と、言ってしまいました。口をちょっと歪めましたが、もちろん本人は認めませんでした。

その日の朝は、悶々とずっとしてしまい、仕事も進まず、これでは彼にとっても私にとってもよくない。学校から帰ってくる前までに、この状況を打破しないと、と思いました。 よく子供のことで相談にのってくださる先生(わたしにとって育児のメンター)がいらっしゃるので、すぐに電話をしました。何が起こり、私が言ったこと、子供の反応などなど。

「ママの思いよーくわかるよ。うちも同じような経験があるわ。」、と先生。 「ママが言ったことは正論。たしかにやってはいけないことだよね。でも子供が求めるのは正論よりも、心に寄り添ってくれるということではないかな。」

確かにそのとおりです。コーチングでも「寄り添う」ということはとても大切なことで、クライアントもそこを求める方々が多いです。私自身寄り添えるコーチングを目指して仕事をしています。なのに、自分の子供にすることができなかったんです。これまたショックでした。

私は母親の立場から物事をみて、正論である“やってはいけないこと”にばかり焦点をおいて彼に注意をしてしまっただけだな、と気づきました。 彼の立場から考えてみようと思いまた。          ”お姉ちゃんは自分で自由に使えるお金があるけれど、ぼくはない。”、”お祭りの時くらい、自由に自分で買うものを決めたい。”などなど(まだたくさんあるだろうけれど) 。

そして、私は今日これからこの件で、何をどう修正できるかと考えました。                                      ①弟にもお小遣いを支給。 ②それでは足りなくなるときもあるので、お手伝いをしたらお駄賃を支給する。 ③姉弟でのお駄賃の差をなくし、出来高で払う。 ④そして何よりも、学校から帰ってきたら、素直に謝ろう。そして、どうしていくといいかお互い話し合おう。

息子が帰ってきてから、まずは自分から素直に謝りました。そして息子はどんな気持ちだったのか聞き、ママとしての気持ち、思いも話しました。お駄賃の話は、積極的にうけとめ、それから毎日、上の娘と競争しながらお手伝いをするようになりました。お金や物をだまって拝借するということは今のところなくなっています。

失敗は成功のもとでしょうか。もちろん、うまくいかない時もたくさんあります。そうしたら、また修正すればよいのだと実感しました。

後で振り返ると、あれはいたずらではなく、彼にとっての挑戦だったのかもしれない。ママに内緒でどこまで自分はできるのかという挑戦。

娘も、毎日いろいろな葛藤を甘えという形で私にぶつけてきます。もちろん親として悔しい思いもしますが、なるべく「わかったよ」「そっか」くらいの相槌をうちつつ、両目を見開いてみないようにしています。あまりにも聞いていてつらいなあと思ったら、少し距離をあけるようにしています。お互いクールダウンできるので。外でがんばっているのでしょうから、そのままでいいんだよと受け止めることが大切なんだと思うようにしています。

仮にうまくできないとしても、”そのままの子供””そのままの自分”を受け止めることは大切ということに気づくことがまず一歩。そこに気づくことができれば、キーキーしたり八つ当たりされても、「あー、成長しているんだな」と思うようにしています。まだ修行中の身ですが。

家は帰る場所、リラックスする場所、素の自分になる場所でもありますよね。でも、それはママでも同じだと思います。ママはみんなよりなんでもできなければ!と考えなくてもよいのでは。子供と一緒に怒っても、泣いても、笑ってもいいのではないかな。一緒に成長してるんだって感覚で。そして、自分だけでは苦しくなってしまう時は、誰かに話してみることで冷静になることができたり、少し一歩ひいて物事全体を見ることができると思います。

お祭りで買ったカブトムシの幼虫はオスとメスでした。最初はメスの幼虫のほうが活発で、オスはほとんど動かず。子供達とオスは大丈夫だろうか。元気になってほしいから「元気くん」と名付けました。

数日前、娘が「元気くん、さなぎになるよ!角がでてきてる色も変わってきてる。」と玄関から大きな声をだしていました。メスのかぶとちゃんは、動かなくなり、体を丸めて半分土から体をだしつつ色が変わってきています。

虫も、それぞれ彼らのペースで成長しています。

子供達も、それぞれ成長しています。毎日驚くことをしてくれたり、感動をくれたり、まるでジェットコースターに乗っているようです。

親としてはまだ○○年。ドタバタずっこけママですが、日々起きたことから、気づき、学び、必要であれば修正する姿勢があれば子供と一緒に成長できると実感しています。

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